某日記

(前期)

平成17年4月1日(金曜日)

昨日

横森式おしゃれマタニティ / 横森 理香」 「たまひよ妊娠大百科―たまごクラブ」 「簡明化学命名法 / 岡田 功」 を読んで寝た。

6 時起床。いつものように玄関前をほうきで掃いてからラジオ体操で体を動かす。 家の前の小学校の桜が満開。 「森下牛乳」と書かれたポストから牛乳を取り出して、 桜を眺めながらそれを飲む。 花びらのせいで掃除は大変だけれども、 しかしそんな苦労を差し引いても桜を観ながら飲む牛乳のうまさと 言ったら他に喩えようがない。

庭の池の鯉に餌をやる。桜の花びらは風で運ばれて池のほうにまで飛んでくる。 水面に落ちたそれを餌と勘違いしてパクりとやる鯉がほほえましい。

朝のお勤めが一段落したので、芝生に腰を下ろす。 弓道場の方からはスパン、スパンと矢を放つ音が聞こえる。 沙弥姉さんが日課にしている早朝練習の仕上げといったところか。 毎日僕よりも 1 時間も早起きしつづけてもう 15 年になるのだから恐れ入る。 台所のほうからは、 沙世姉さんがトントントントンとリズムよくネギか何かを刻む音が聞こえる。

朝食。両親旅行中につき、沙弥姉、沙世姉、僕、沙羅の四人。 アジの開きに五穀米、豆腐と分葱のみそ汁、ほうれん草のおひたし、 きゅうりの浅漬け、卵焼き。最近沙世姉さんは五穀米にご執心な様子。 なぜかこの家は末っ子ほど朝に弱い傾向があるのだが、 今日の沙羅はいつもに輪をかけて眠そうだ。 春休みなのをいいことに夜更かししていたのだろう。 目の前に座っている沙羅はぼーっとして起きているのか 寝ているのかよくわからない。しかしそんな状態でも上手に箸を駆って 食い物を口に運んでゆくのだから器用なものだ。

縁側で新聞を読む。 六本木でどこかの社長が回転ドアに頭を挟まれて死んだらしい。 成り上がり者は 株の買い方は知っていても回転ドアの正しい通り方は知らんようだ。 年度頭ということでいろいろと新しい法律や制度が施行されるという記事が 載っているが、年度始めのその当日に こんな記事を載せるという泥縄さ加減がおめでたいことである。 そんな風に真面目くさって新聞を読んでいたが、 ふと横を見るとそこで沙羅が丸くなって寝ているので馬鹿らしくなった。 この陽気だと猫でなくても眠くなるのも分からなくはないが、 しかしさっき起きたばかりだろうお前は。

9 時。いつものように佐伯が社用車でやってきたので出勤。

午前中〜昼

会議。今度うちから出る新製品 TruePetaBSD の広告についての検討。 すでにプレスリリースが出ているとおり、 この製品はペタバイトストレージ時代に対応した 高パフォーマンス高信頼性 OS 環境だ。

具体的には 「U12FS (Ultratolerant File System)」 「AACUP (Adaptive and Advanced Credible Utilization Protocol)」 「PIPAN (Per-Interface Parallel Affinity Negotiation)」 などによる分散ペタストレージへのインフラレベルでの対応と、 「SHOJO (Signed Hash Organized Justification Observer)」に TwinTail Tree を組み合わせたデータエージングマネージャによる セマンティックレベルでのサポートを売りにしている。 どんなに良い製品でも、 広告一つで売れたり売れなかったりするので会議にも力が入る。

昼食はラ・アンジェのオムライス。 洋食屋のくせにラ・アンジェとは少々気どりすぎだが、 気どっているのは名前だけで店そのものは気さくな雰囲気である。 ヒゲのマスターと小柄の奥さんが二人できりもりしているのだが、 最近新顔が登場。てっきりアルバイトかと思っていたが、 こないだ訊いてみたら娘さんらしい。 春休みで学校が休みになったから手伝っているそうだ。

コーヒーで締めて会社に戻る。

午後

昨日夜更かしをしてしまった上に、 特に今日のように暖かい日は、昼食後に瞼を支えておくのが難しい。 私は自分のデスクでついうとうとと微睡んでいた。

……りりりん……じりりりりん……じりりりん

電話のベルの音でハッと目が覚めた。 受話器を取ると、電話の向こうからお袋の弾んだ声が聞こえた。 私は秘書に一言ことづけておいて、取るものも取り敢えず病院へと向かった。 昨日の晩、 男の子と女の子、どちらでも困らないようにと考えておいた二つの名前を携えて。

病院は家の近所、小学校をはさんだ向こう側にある。 鞄を玄関に放りこんで、満開の桜並木を駆け抜ける。 風が吹き、頭上から花びらが舞いおりてくる。 花吹雪、それは、桜が新しい生を祝福し、 そして私を父親として洗礼してくれているかのようだった。

病院の入り口へと飛びんだ私を待っていたのは、 しかし、私の用心をあざ笑うかのようなもっと困った事態だった。 お袋が私に告げたのは、生まれたのが両方とも女の子であるということだった。 つまり、双子だったのだ。

沙和子、つまり私の女房に、女の子だったら沙弥という名前にしようと 思っていたが、女の子の名前は一人分しか考えていなかったと告げると、 彼女はふいに私の頭に手をやり、髪の毛に着いていた桜の花びらを抓み取ると、 ちょっと考えて、沙世なんてどうかしら、と言った。

……

……るる……るるるる……るるるる

電話のコール音でハッと目が覚めた。……夢? 受話器を取ると、電話の向こうから母の弾んだ声が聞こえた。 成田に着いたから夕方ごろ最寄り駅まで迎えに来てくれ、 ということだった。帰ってくるのは来週だったはずじゃないのか、 と尋ねると、姉さんたちの誕生日にちょっと驚かせてやろうと思ったらしい。 電話のうしろからは、沙和子、沙和子と母を呼ぶ父の声、 お父さんが呼んでるから切るね、と言って母は電話を切った。

しかしさっきの夢はどういうことだろう。 あれはどう考えても姉さんたちが生まれた日(つまり何年か前の今日)の 父の体験ではないか。まだ僕は生まれていないし、 当然自分で体験してもいないその日のことを覚えているわけがない。 しかし、それはあたかも自分で体験したような、 そんな生々しい……記憶そのものだった。

しばらくそうやって首をかしげていると、秘書の穂村がお茶を持ってきた。 机の上にお茶を置いた彼女は、 あら、髪の毛に桜の花びらが付いてますよ、と言った。

平成17年4月2日(土曜日)

昨日

花見。花なんて咲いてませんが。

アテネ→アレクサンドリア→アテネ→ヴェネツィア→アテネ→ アレクサンドリア→ベイルートと移動。

平成17年4月4日(月曜日)

土曜日

引きこもり。

アレクサンドリアからロンドン→アムステルダムと行って、 またセビリアに戻ったような気がする。

日曜日

ドトールでマターリしようとしたら満席、 放浪してたら寿司食わないかコールが来たので高速移動。

パルミア軍と女帝ゼノビアの最期についての調査でナポリ→ アレクサンドリア→ベイルート→ラグーザ→ベイルートと行き来する。 ギリシア西部イオニア諸島の東側の海峡は 藻が出やすいので西を通ったほうがよい。

ぐる

横須賀線に武蔵小杉新駅設置で川崎市と合意 。 キター!! つーか事情があったのは分かるけれども、 新川崎駅なんていらないから最初から武蔵小杉と鶴見にホーム作っとけ。

平成17年4月5日(火曜日)

昨日

しゃぶしゃぶ。 これ についてとか。 結局、一旦大阪市内を出てもう一度入るのがポイントで、 途中下車は東西線に関する尼崎の特例を外すために必要なんだと>五反田さん。

大後悔時代。ロンドン戻って細々したクエストをこなす。 どうも北ヨーロッパはいまいち面白くない。

寝る前読書。

ZIG・ZAG(1) / なかじ 有紀」 せんせー、これ、カバーを「ビーナスは片想い」と取り替えといても、 みんな気づかなそうです(ぉ。 予定調和とマンネリで読ませるタイプの人ではあるので良いといえば良い。 ただしこの人の作品を楽しむには少々腐女子的感性が必要。 前作あたりからどうも絵柄に樋口大輔がかってるのが気にはなる。

ペンギン革命(1) / 筑波 さくら」 芸能界ネタというのはだいたいどの少女漫画雑誌でも持ち回り的に誰かが 必ず一本は書いてるジャンルなのだけれど、 これは組み合わせの妙というかなんというか。 まあ今回の超能力は前作のと比べると妙味がない代わりに絵的には派手やね。

セーラー服にお願い!(1) / 田中 メカ」 もともと柳原望みたいな作風がベースにあって、 今回はそこにギャグを足してあるのだけれど、 まあちとギャグ要素の質が微妙ではある。 しかしながら、天然パールピンクよりはネタが作風に合ってるような気もする。

ぐる

貧富の差当然 。 まあ日本コッケイスト協会会長の私としましては、 日本人という「成功者」が「あなたは成功者だから、分からない」 という台詞を吐くことの滑稽さと、 競争原理というものを無邪気かつ単純バカ的に信じている ホリエモン的存在の滑稽さ、 この両方の滑稽さに身悶えするという自分の滑稽さないしは馬鹿馬鹿しさに 幸せを感じるわけです。

平成17年4月6日(水曜日)

昨日

アイルランド海賊討伐。 それよりもプリマスの交易品の利鞘の大きさは良い (買える量が豊富だというのも大きい)。

今日

正直暑い。

実際のところ 、 そこまで合わせ技を使わなくても片町→関西と通るだけで良いわけですが、 まあ件の方法が運賃が一番安く済むのは確かでしょうな。 別解としては私鉄の通過連絡乗車を組み合わせるとか (尼崎から阪神電車で戻ってくるとか)、そういう手もありますわな。

いずれにしても、買った以上は乗らないといかんよな(ぉ

そういえば買うのを忘れていたので 「「よつばと!」イメージアルバム / 栗コーダーポップスオーケストラ」をぽちっとな。

Sun criticizes popular open-source license .

The GPL purports to have freedom at its core, but it imposes on its users "a rather predatory obligation to disgorge all their IP back to the wealthiest nation in the world," the United States, where the GPL originated, Schwartz said.
ってのは面白すぎる。 実際には GPL がまん延すれば disgorge する量も米国が一番になるわけで、 差し引きで見たらそれ以外の国のほうが得になろう。ちと勇み足だと思うぞ。

まあ、あくまでも単純バカ的な物の見方をすれば、 GPL なものをあえて使うような状況というのは、 要するに GPL なものを使うことによる利益が大きいから使うのであって、 その利益よりも損の方が大きい状況では GPL なソフトを使わなければよい、 という論法が成り立つわけですな。 もちろん、単純バカでない人間はここで「使わない自由」 というものの存在を無邪気に信じたりはしないわけですけれども。 「GPL を使わない自由」を阻害する一番の要因は「GPL の普及」なのだから、 「GPL を使わない自由を行使したい人間」と 「GPL を普及させたい人間」 との間で本質的に利害が衝突するのはしょうがないといえる。

いずれにしても、GPL じゃない選択肢を見直そうよ、 という問題提起として好意的に解釈してやると良いのかもしれない。

昭和の日 。 文化の日は明治の日に変えないのかなぁと思うけれどまあどうでもいいので、 とりあえず 8/31 も大正の日として祝日にすべし。

南洲像 。 スケールが 1/1 かどうか以前に、 西郷婦人をして「うちの人はこんなみすぼらしい格好をしてなかった」 と嘆くくらいの妄想っぷりらしいですな。 全然関係ないけど 「サイゴーさんの幸せ / ふくやま けいこ」とかどうぞ。

「やぶうち優=鉄」は、本人が認めるまでもなく定説: http://www.dab.hi-ho.ne.jp/yabuuchi/QandA_ss.htm#040505_6

竹島問題 。 韓国には、ぜひ毅然とした態度で国際司法裁判所にでも告訴していただきたい。

ふたなりふなのりはうす

平成17年4月7日(木曜日)

昨日

イングランド北部視認イベントのあと、 グレートブリテン島の北を回ってダブリン経由でロンドンへ。

今日

電車と人と行楽の関係 。 正直、車内、それも運転席のすぐ後ろでストロボ炊くのはどうかという気もする。

まあ、走ってる列車の正面からストロボ炊くアホよりははるかにマシだが。 そんなことも言われないと分からんアホが多いというのが困るわけだけど。 言われても尚やるような一部の人種はもちろん論外。

jargon から引っこ抜いた単位前置詞一覧 。 以前調べたまま Sleipnir のタブ内で開きっぱなしだった物。 由来まで出ているのがよい。 64bit 数なら SI 系でも十分だが 128bit 数は SI 系ではもはや荷が重くて、 ここに載っているマルクス兄弟拡張をさらに二進拡張したものを使うと、 たとえば 2^128 byte は 256Gmi byte になる。 でも、マルクス兄弟拡張は jargon 見ると正式なものにはなりそうにない旨が 書いてあるので以下略。

極道 。 ゴクドーなことで。……ごめんなさい。

しかし、極道の意味について広辞苑の記述を引き合いに出しているが、 その後の 「「道をきわめる」の漢字は「究める」が正しい」 という話は広辞苑を見ても分からなかったりする。 広辞苑は一般的に同音異字な言葉について漢字を全く区別してないので、 「きわめる」の項を見ても 「極める」「窮める」「究める」のニュアンスの違いは分からない。 かろうじて各漢字の意味から察するしかない。 一般人的には広辞苑といえば国語辞典の代名詞に近い権威になっているけれども、 実際に使おうと思うと今ひとつな辞書。

平成17年4月8日(金曜日)

昨日

ロンドン→ベルゲン→オスロ→コペンハーゲン→オスロ→ベルゲン→ ロンドン→アムステルダム→リスボン。 西アフリカの入港許可が出た。

フル・コン(2) / 北浜 かぶと, みなづき 忍」 を読んで寝た。

今日

bsdclub.org 関係が見えない。当然 imou.to も見えない。 *BSD Diary Links だけはホスティング場所が違うので見えるけれども。

パピヨン様 は武装錬金の影の主役なので、事あるごとに出てます。春だし。 変態仮面終了後の長かったジャンプ冬の時代に別れを告げるべく 萌芽した春の精霊パピヨン様には今後も頑張っていただきたい所存。春だし。

早起き 。 よく無責任にも「慣れですよ」という人があるけれども、 私が 6-3-3 で 12 年間義務教育に通いつづけて一度も早起きに「慣れた」 と感じたことがなかったことを鑑みるに、慣れるかどうかも人による模様。 環境に対する柔軟を本領とする子供ですらそれなのに、いわんや大人をや。 やはり生まれながらにしてタイムゾーンが日本人ではない人というのも 存在するのである。

IBM:「プロプライエタリとオープンソースのバランスが大切」 - 知財ノーガード戦法の価値を身をもって分かっていて、 なおかつそれを現在一番実践しているのは確かに IBM だろうな。 考えてみれば、本来のノーガード戦法と、 IBM における知財ノーガード戦法は驚くほどよく似ている。 無批判に IBM に追従するのは避けるべきとしても、 踏み込みの間合いさえ間違っていなければ、 当座は IBM のがら空きになったボディに飛びこんでポイントを 食らいつくすコバンザメになるというのも悪くはない気もする。

署名 。 リンク先の内容はどうでもいいが、 私は「『シュミレーション』根絶への署名のお願い」を出したい。

n 周目 。 このネタは通過儀礼の一種なのではなかろうか。

ふと、お兄様(私のことね)は JavaScript に興味を持たれたようです。 コマンドラインで使える処理系が無いかどうか某所で聞いたら こういうページ を教えてもらった。

Mozilla のをコンパイルして遊んでみた:

% ./NetBSD_DBG.OBJ/js
js> print("a".toUpperCase());
A
js>
おもろい。